いいですよねー、先生は。

ある生徒に小論文を教えていた時だった。その生徒は、書くネタが出て来ないことに悩んでいた。そこでこんなアドバイスをした時だった。

いいかい?  小論文はね、自問自答なんだよ。自分の中に問いかけて、自分の中から答えを出せばいいんだよ。

  う、……!
いいですよねー、先生は!

え?

だって、先生の中には何十人も人がいて、ホイホーイ、ホイホーイって、答えてくれるんでしょう。
でも、私は、一人しかいないんです。誰も答えてくれないんですよー。

(シュールだな…って、おーい!  オレ、別に多重人格者じゃないからね。そこんとこ、どぞよろしく…)


ある生徒の解答。

いいかね、小論文は「だ、である調」で書くのが普通だ。常体と言ってな、「です、ます調」と混ぜないように注意して書くんだぞ。
 
ハイ分かりましたー。
 
後日、その生徒はこんな解答を持ってきた。
 
現代は情報化社会なのだ。情報化社会はとても便利なのだ。だから、賛成なのだ。でも、悪い点もあるのだ。でも、やっぱり良いのだ。
 
思わず、我輩は「パ〜パなーのだ〜。」と呟いてしまいそうな解答だ。反対の反対は賛成なーのだ。完璧なまでのバカボンの世界だ。でも、これでいーのだ。って、いいわけないよなぁ〜。
 
 
 
 
 
 

小論文のための現代社会講座

私は、夏休みを利用して小論文のための現代社会講座を開いていた。ある年の講座で、地球温暖化をテーマに講義を行なった。化石燃料の消費による二酸化炭素の増加やら、温室効果ガスやらの話をひと通りして、講義が終わる頃だった。目の前に座っていたある女子生徒が突然、ひらめいたように言葉を放った。

「先生! 分かりました。電車を電気で走らせればいいんですね。」

周囲が一瞬、凍りつき、次の瞬間、隣に座っていた男子生徒がその子に向かって言った。

おまえ、バッカだなー。電気で走るから電車って言うんだろ。

僕も、思わず突っ込んでしまった。

今まで、電車は何で走ってると思ってたんだい?

え?石炭…。

もう誰も、何も言えなかった…。




論理の飛躍?

天才的な小論文は理解に苦しむ。とある生徒はよくこんな解答を書いてきた。
哲学とは死の学びである。ソクラテスは死を恐れなかった。だから、哲学者はペットを飼わない。  ん?