読むということの基本的な心構え

文章を読むときに大事なことは、たった一つ。筆者の「言いたいこと」をただひたすら「論理的に」追いかけるということです。ぼくはそれを高校生のときに「新釈現代文」という受験参考書から学びました。
最近は、現代文の参考書もいろいろ出ていて、中には小論文の型にはめて読んでいくテクニックをまるで全ての現代文に通用するかの如く書いているものもあります。
しかし、その参考書に引用されている文章(評論文)には通用しても、そのテクニックだけで全ての文章(評論文)が読めるわけではないでしょう。反対から言えば、そのテクニックで読めるものしか引用されていない。
僕も、このコーナーでは、テクニックを解説しようと思っています。しかし、読解や要約のテクニックの前に、ただひたすら筆者の述べていることを追跡する姿勢と、論理の展開を追いかける姿勢を持たなければ小手先の読み方になってしまいます。だから、このコーナーの最初にみなさんに次のことを言っておきたいと思います。

文章を読むとき、大切なことは、筆者の言いたいことは何だろうという気持ちをもって、文章を追跡することが基本だということです。そのことだけは、テクニックを学んでもけっして忘れないでください。

要約の仕方

要約とは、長い文章の要点を短くまとめることだ。言い換えれば、

  •   課題文の論理関係の骨組みを中心に重要なところを抜き出し整理したもの。

*要約問題とは、制限字数内で、課題文(筆者)の言葉を出来るだけ生かして、筆者の「言いたいこと」の要点・要旨を短くまとめる問題である。

 

   要約問題に解答するときは、いくつか注意するべき点がある。

注 () 200字以内なら段落は作らなくてよい。一マス目から、つめて書く。

     () 「筆者は、~と述べている」とか「問い(論点)は、」とか「意見は」「理由は」などの言葉を入れてはいけない。

     () 短くまとめるための「言い換え」は行ってもよいが、筆者が言っていないことや、自分の解釈、考えを入れてはいけない

     () 字数制限が短い場合の「残す」順番は、以下が基本である。

筆者の意見や見解(一番、言いたいこと)

意見や見解の理由説明や根拠

論点・問い

 

 ◆要約を行うステップ

  1 最初の文から順に目を通す。

  2 「必要な部分」「保留」「不要な部分」に仕分けする。

  3 「必要な部分」をすべて押さえ、字数制限内に、まとめる・

 

 *要約に入れておきたい内容(必要な部分)

課題文中の問い(論点)に対する解答

逆接の接続詞の後にくる文章

筆者の主張を示す表現をもつ文章

新しい話題(情報)が示されている文章

前述の内容をまとめている文章

 *要約には不要な内容

    具体例 (ただし、筆者が言いたいことが具体的な内容そのものだった場合は必要になる)

*要約の3原則

  ◆ 課題文を読んでいない人にもわかるように書く

     (要約だけで意味が通じることを目指す

  ◆ 課題文のキーワードはそのまま使う

 

   ◆ キーワード以外の難しい表現などは、わかりやすく自分の言葉に直す