日本はどこに向かうか(格差是正の逆転現象)

日本は、人口構成がかつてないほど、高齢にシフトしている。先進国で唯一?所得の再分配後に格差が広がっている日本。通常は格差是正の効果を持つはずの社会保障制度と累進課税制度が、結果的に格差を広げるという逆転現象を起こしているのだ。
その原因の一つに少子高齢化がある。高度経済成長から、バブル景気まで現役で働けた年代が今の後期高齢者には多い。貯蓄好きな日本人が貯蓄に回せる資産的な余裕があった時代を生きてきた人々だ。一方で、現在の現役世代は、バブル景気が去った後に働き出した人々が多くなっている。非正規雇用が4割へと増加した時代に、確実に日本人の所得は減少した。こんなふうに言うと誤解されそうだが、単純化すれば、所得の低い現役世代から集めた所得税や社会保険料が、比較的裕福な世代の高齢者の年金や医療費へと流れていると言うことになるのではないか。いや、間違っているのなら申し訳ない。
だが、もしそうだとしたら、若者よ。興味がなくても選挙に行くしかない。行ったとしても、高齢者には数で勝てないシルバー民主主義かもしれない。しかし、政治家の顔をもっと若い世代の方に向けさせない限り、日本人の未来は暗い。
もちろん、高齢者たちが悪いのではない。彼らは、今まで日本を支え、社会保険料払い、その上の世代を支えてきたんだ。彼らがの年金や医療費が減らされることに怒る充分な理由もあるし、不安になるのももっともだ。ただ、今の若い世代の不安は高齢者たちの想像を超えているだろう。
だから、若者たちよ、選挙に行くしかない。人気稼業である政治家たちも、比較的高齢だ。立ち上がれ!若い世代よ。かく言う私ももう若くない。君たちが立ち上がったのちの世では私の世代は損をするかもしれない。それでも、今の日本の歪な構造は改革しなければならないんじゃあないかい?
少なくとも、格差拡大と合わせて、日本の教育にかける予算の低さを見るにつけ、この国は真剣に未来を見つめているのだろうかと疑問に思うのは、私だけだろうか。
だから、思う、かつて現役世代が高齢者を支えて来たように、これからは、高齢者が未来を作り、未来の希望を育てる現役世代を支える社会を作るべきだと。