やっぱり、星空はいい。星をながめていると、悩みや不安が消える。
ぼくは、よく星空を見上げてはボーッとするのだが、今は金星に釘付けだ。
日本中のどのくらいの人が、昨年の暮れくらいから金星が南の夜空にひときわ眩しい光を放っていることをご存知だろうか。
とっても美しい金星(ビーナス)が、目を細めるとまるで漫画に描かれているかの如く十文字に眩い光の筋を放射している。
今晩もまた、仕事の帰りに、ふと夜空を見上げると、ビーナスが輝いていた。
人知れず、誰が見ていようと見ていまいと、全力で光っているその姿を見ると、美しいのを通り越して愛おしさすら覚えてしまいそうだ。
きっと、星は人間に見られることなんて期待していない。それでいて、見る人の心を優しい気持ちにしてくれる。
ここで、告白すると、夜空の星を眺めていて、ふと、ああもう死んでもいいかもって思うときがある。
昔、友人たちにそんなふうに言ったら、「死んでもいい」までは思わないけどね、みたいな会話になったことがあるから、やっぱり僕は少しおかしいのもしれない。
何千年も前の人類も、この星空を見ていたんだろうなって思うと、自分なんてとってもちっぽけに思えて来る。そして、さっきまで何をぐじぐじしてたんだろうって。 自分なんて宇宙から見たら、取るに足らない存在でしかない。そんなちっぽけな自分の瑣末な日常がどうなろうが、この世界にとっては、何の問題にもならない。
でっかい宇宙に抱かれ、吸い込まれてうくうちにそんな気持ちになるのは、たいてい日常生活の中で何かしら自分ではどうしようもない壁や悩み、不安、ストレスをかかえているときだ。
そして、星空に吸い込まれながら、悠久の時間の流れに思いを馳せると、不思議と幸せな気持ちになって、ああ、もう死んでもいいやって思える。それは悲しい死ではなく、幸せな死。ちっぽけで無力な自分を素直に受けいれられる瞬間なのだと思う。
こんなに優しく、切なく、満たされた気持ちにしてくれる星空。
だから、 僕は今日も星をながめる。誰かを傷つけてしまった自分、自分の醜いエゴやら小賢しい企みやら、そんなものを抱えながら、ただ、この世界に生まれて今ここに生かされている自分を受けいれるために。
何かに悩み、傷ついたりしたら、その気持ちが癒えるまでは、星を見つめ続けてみてはどうだろうか…。
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たきした (金曜日, 14 4月 2017 14:54)
感動しました、まんじ!
ザッキー (金曜日, 14 4月 2017 18:27)
これを読んで、感動してくれる人は、きっと心優しい人ですね。
ちょっと、男の僕としては、センチメンタルすぎるかなと思っていました。
でも、男だろうが、女性だろうが、人間ですからね。
コメントしてくれて、ありがとう!