良い文章が書けるか否かの決定的な差は、どこまで広く深く考えることができるかです。この広く深く考えることには、ちょっとしたコツがあります。そのコツを身に付ければ深く考えることは難しくありません。
深く考えるためのコツ
• 出てきた答えの背後にある事実と理由を自問自答してみて、「なぜなら、…からだ。」を使って文にしてみよう
皆さんは、好き嫌いに理由があると思いますか?
好き嫌いにも理由はあります。ただ、普段はあまりそこまで深く考えていない人が多いですね。また、改めて理由を考えるまでもないほど自分の中で「当たり前」だと思い込んでいることが理由の場合は、なおさら考えないでしょう。
例えば、好きな先生と嫌いな先生がいたとします。嫌いな先生が、なぜ嫌いなのか考えてみてください。最初から嫌いだったのでしょうか?ルックスや雰囲気が生理的に受け付けないなどの理由もあるかもしれませんが、多くの場合、嫌いになったきっかけがありませんか?ある時、先生に質問しに行ったら、教えてくれるどころかお説教されて返されたなど。人は大抵、自分が期待する反応と反する対応や態度を取られるとその人を嫌いになります。問題は、そうした否定的な判断を下した背景にある理由を言葉にできるか否かです。例えそれがあなたにとって当たり前過ぎて、あえて言葉にする必要がないようなものであったとしてもです。
なんとなく嫌いだな、のレベルから「なぜ」嫌いなのか自問自答してみましょう。あの時、ちゃんと質問に答えてくれなかったから嫌いになった。だとすれば、あなたは、先生というものは、生徒の質問にはちゃんと応えて教えてくれるべき存在だと思っているのです。当たり前じゃん!そうでしょうか?あえて答えを教えないという考え方があるのかもしれません。先生は教えるべき!というのはあなたの中にある先生像です。
つまり、あなたの考える先生像が背後にあって、それに反したために嫌いになったのだとすれば、それを言葉にすれば良いのです。
私は、あの先生が嫌いだ。なぜなら、先生は生徒の質問にはきちんと応えて分からないことを教えてくれるべきなのに、あの先生はそうしてくれなかったからだ。
判断の背後にある理由には、事実とその事実に対するあなたなりの考えが横たわっています。それを「なぜ」という言葉で自分に問いかけ、自分の中にある理由を探して言葉にする。そうした癖をつけていけば、自分の出した答えの理由が書けるようになるはずです。
• 似たようなものの違いを見つける
深く考えない人は、だいたい物事の見方が大雑把というか、雑です。例えば、勉強は嫌い!と言い切ってしまえば簡単ですが、本当に勉強が嫌いなんでしょうか?好きなものもあるのでは?
例えば、数学と社会ならどっちが好きですか?自問自答してみてください。え?どっちも嫌い?強いて言えばどっちかな?全く同じくらい嫌いではないのではありませんか?
ちょっとでも違いがあれば、その違いは何かを考えてみましょう。私は、社会が嫌いでした。それは、暗記が苦手だったからです。しかし、数学は好きでした。覚えることが少なく、覚えなくてもその場で考えれば解けるからです。同じ英語でも、英単語を覚えるのは嫌いでしたが、英文法の穴埋めは好きでした。僕の場合、何かそこに法則や理屈があれば好きになれるということが分かり、社会科も法則や理屈で考えるようにしたら好きになりました。どうですか?同じように見えても、違いを見つけるとまた違う面が見えてくるでしょう?
• 細かく分けてみる
次に、同じものでもさらに細かく分けてみるということも重要です。嫌いなものでも、ちょっと好きな部分もあるかもしれません。例えば、嫌いな動物がいたとして、全部嫌いか考えてみましょう。どこかしら好きな部分はありませんか?僕は昆虫が嫌いです。どうして嫌いかというと、まず、目です。カマキリの目を見たことがありますか?あの目は何を機械的で感情が感じられず怖くなります。他の部分も嫌いですが、目が決定的です。だから、実は目があまり大きくない、というか目立たない昆虫は比較的嫌いではないです。
• 違うものどうしの共通点を見つけよう
AとBを比べて違いを見つける。ラージAをa1、a2…と細かく分けてみる。とやってきました。次は、AとBに共通することを考えてみましょう。
次に、思い浮かんだ答えの理由を考えてみよう。
試しに、君の好きな食べ物と嫌いな食べ物を思い浮かべてみよう。
例えば、カレーとラーメン